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専門家によるドライブコラム

車内の子どもの安全(1) -なぜチャイルドシートが必要なのか-

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チャイルドシートの重要性

2000年4月からチャイルドシートの使用が義務づけられましたが、チャイルドシートは必要と分かっていても「安全運転だから大丈夫」「ちょっと近くまでだから」「子どもが嫌がるから」などとその重要性を軽視していませんか?さすがに助手席でお子さんがヒザに抱かれているケースは少なくなりましたが、高速道路の渋滞などで後ろの座席で子どもを遊ばせるケースは少なくないようです。

そんな時に、急ハンドルや急ブレーキで危険回避するとどうなるでしょうか。もし、衝突が避けられないと、大切なお子さんはダッシュボードにたたきつけられたり、運が悪いとフロントウインドーにぶつかるかもしれません。もし、エアバックが展開すると、その衝撃はサッカーボールくらいの硬さとなって時速160Km/hで飛び出してきます。

このように車内では人間とクルマの二度目の衝突がおきます。もし、お子さんがチャイルドシートを使っていないと、あなたは子どもにたいして加害者となってしまいます。法律で義務づけられているにもかかわらず、チャイルドシートを使わなかったことで大切なお子さんが亡くなることも考えられるからです。私達が行っている安全運転セミナーでは1才前後の幼児に見立てた熊のぬいぐるみを使って、チャイルドシートの重要性を体験させます。

事故の衝撃

参加者はシートベルトをして約9kgの重さの熊さん人形を抱っこして、時速15Km/hで急ブレーキをかけます。殆どの方は急ブレーキと同時に熊さんがダッシュボードにぶつかったり、床に落としたりしてしまいます。参加者は「熊さんでよかった」と胸をなで下ろします。ここで実際の事故調査のデータを見てみましょう。

チャイルドシートを使用しないで事故に遭い、お子さんが死亡・重傷を負った事故の多くは時速40Km/h以下という比較的低い速度の衝突なのです(警察庁/ITARDA調べ)。チャイルドシートを使用していなかった場合とそうでない場合を比較すると、非使用の致死率は使用した時の約6倍以上と高くなります。

それでは実際の事故では一体どのくらいの衝撃があるのでしょうか。例えば、クルマが時速40Km/hで衝突した場合、車内の乗員や子どもには自分の重さの約30倍の力がかかると言われています。つまり新生児(約5.5kg)の赤ちゃんでは、瞬時に約150kgの重さが加わり、ビルの三階から車ごと落下させたときと同じ衝撃となります。後ろの席でチャイルドシートを使用しない子ども達は、自分自身で安全を確保することができません。チャイルドシートを使用していれば事故の衝撃から身を守ることができるばかりでなく、同乗者との二次衝突も防ぐことができ車外放出の心配も少なくなるのです。

また、サンルーフやパワーウインドーによるケガなどの心配も少なくなることで運転に専念できます。たとえ後席であっても、大人も子どもも例外なくシートベルトやチャルドシートを使用しましょう。

安全意識が低い日本

チャイルドシート着用が法律で義務化されたのは2000年ですが、2009年度のJAFと警察庁の合同調査では、全国のチャイルドシートの使用状況は6才未満の子どもで使用率54.8%と、安全意識は非常に低いと言わざるを得ません。日本の法制化は先進国の中では遅れてのスタートでした。

実は、そのきっかけを作ったのは産婦人科や小児科の先生達、つまり医療現場からでした。毎日のように血まみれで担ぎこまれる子ども達をみて「チャイルドシートさえ使用していれば、助かった・・」という思いから、多くの子ども達の命を救うために法制化を政府に働きかけたのでした。日本は大人のシートベルトの装着率も先進国では低いほうです。とくに後席では多くの人がベルトを装着しません。「つかまるからベルトをする」という情けないくらいの安全認識です。では、なぜ、子どもは大人のシートベルトではいけないのでしょうか。正しいチャイルドシートの選び方や装着法は次回のコラムでお話しいたします。

ドライブ専門家一覧

※上記の専門家コラムに関するご質問、お問合せは、原則受付けておりませんのであらかじめご了承ください。

コラムニスト 鹿口恵子

車内でお子様の安全を守るアドバイスをいたします。

女性または母親としての視点から車社会を見つめ『妊婦のシートべルト着用』『車内における子供の安全』『乳幼児の救急救命』『ドライバーの救急救命』と、お母さんのお腹のなかにいるときから大人の安全までアドバイスをおこないます。

【資格】 財団法人 日本交通安全普及協会 チャイルドシート認定指導員 東京都消防庁認定 応急手当普及員ファーストエイド・インストラクター など
【メディア】 「ホリデーオート」「Fase」などコラム連載多数。

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