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専門家によるドライブコラム

高齢者の自動車事故にはどんなものがある?

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質問

私の父は現在70代ですが、日常的に車の運転をしています。最近、高齢者による運転事故のニュースなどが耳に入り、父が事故に遭わないか心配です。高齢者に多い自動車事故や、事故を起こさないために気を付けることを教えてください。

回答

高齢者は運転ミスや見落としによる自動車事故が多いです。信号や一時停止の標識をしっかり確認しましょう。

最近は、高齢者のドライバー人口が増えたこともあり、高齢者が運転していて加害者になる自動車事故が多くなりました。今回は、高齢者が起こしやすい自動車事故を解説しながら、安全運転をするために気を付けるポイントをご紹介しましょう。

高齢者の自動車事故の特徴とは?

人が運転するときは周囲の情報を認知し(目など)、判断して(脳)、操作します(手足)。
この認知・判断・操作のどれが劣っても、事故は起きやすくなります。高齢になることで、身体の能力の低下、判断力や注意力が低下するため、高齢者の自動車事故はどうしても起きやすくなるのです。

アクセルとブレーキの踏み間違えによる事故

高齢者の自動車事故でニュースにもなるのが、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故です。
この種の事故は日本では年間に約6000~7000件報告されており、65歳以上の高齢者の事故が目立つと言われています。

※出典:交通事故総合分析センター http://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info107.pdf(最終確認:2017年9月15日)

信号無視による事故

また高齢者になるほど、信号無視による自動車事故が多い傾向があります。ボーっとしたまま運転をする漫然運転や、信号を認識するまでに時間がかかってしまうことにより、赤信号に反応できずにそのまま通過してしまうというケースです。信号無視は周囲を巻き込む大事故につながりやすいため、非常に危険です。

出会い頭の衝突事故

判断力や注意力が低下している高齢者は、見通しの悪い道路での出会い頭で、自動車事故を起こしてしまうことが多いです。交通事故総合分析センターによると、特に信号機のない交差点での事故は多く、高齢者の出会い頭の衝突事故全体のうち65%がそれに当たるとされています。信号機のない交差点では信号による交通規制がないために交差点を進行するか停止するか判断に時間がかかってしまったり、判断を誤ってしまったりすることが原因と考えられています。

※出典:交通事故総合分析センター http://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info119.pdf(最終確認:2017年9月15日)

過失による衝突事故

さらに、高齢者は「そこに人や車がいないと思っていた」「うっかり見落とした」という思い込みによる衝突事故が多いです。こういった過失による衝突事故は、よく慣れた自宅付近で起こりやすいとされています。慣れた道でも安全確認は必要です。

※出典:警視庁ホームページ http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/jikoboshi/koreisha/koreijiko.html

高齢者の自動車事故を防ぐために注意するポイント

それでは、このような高齢者の自動車事故は、どのように対処したら防ぐことができるのか、注意するポイントをご紹介しましょう。

[ 1 ]交差点では、周囲に目を配り注意して走行する

自動車事故が起こりやすい交差点では、周囲の動きなどを気にしながら運転するようにしましょう。
信号・一時停止を守るのはもちろん、対向車の影に自転車やバイクが隠れていないか?横断歩道に歩行者が歩いていないか?など、目線だけでなく、体や頭を動かして、見える領域を広げるようにすることが大切です。

高齢者の方に限らず交差点は事故が多い場所です。そのことをきちんと意識して、毎日の運転をするようにしましょう。

[ 2 ]運転に慣れた道でも「…かもしれない」という気持ちを忘れずに

自動車事故は「そこに人がいないと思っていた」「うっかり見落としてしまった」など、都合のいい判断をした結果に起こることが多いと言われています。このような自動車事故を防ぐために、「人はいないだろう」と考えるのではなく「人がいるかもしれない」というように、危険予測をしながら運転することを心がけましょう。

特に、運転に慣れている人や、いつも運転する道の場合、つい心も緩みやすくなってしまいます。どんなに慣れている道でも、必ず自分の目で見て、安全を確認してから通行することが大切です。

[ 3 ]信号はしっかり確認する

車を運転する上での基本ではありますが、信号をしっかりと確認するということを、改めて意識するようにしましょう。体調が優れていなかったり、考え事をしているときは信号も見落としがちです。信号の手前の段階から、信号の存在を認識し、余裕をもって運転することが、事故防止につながります。

また、信号が黄色や赤から青に切り替わるときには、「もう変わった」と感覚で認識するのではなく、青になったことをきちんと確認してから車を発進させましょう。

[ 4 ]踏み間違え防止は、丁寧なペダル操作が基本

高齢者の自動車事故はアクセルとブレーキの踏み間違いが多いため、アクセルとブレーキの踏み間違いを起こさないための対策も必要です。
まずは運転の基本として、焦らないで運転するということです。特に発進時、急いでいるとペダルをよく確認せずに、グッと踏んでしまうというケースが多いようです。

もし普段からゆっくりペダルを踏むことができていれば、万が一ペダルを踏み間違えたとしても、途中で気づき危険回避をすることが可能になります。高齢者の方は、特に意識して操作するようにしましょう。

また、これから車を購入する場合に限りますが、踏み間違いしづらいペダルを選ぶという方法もあります。
自動車のフットペダルには吊り下げ式とオルガン式の2種類あり、オルガン式の方が高齢者の方にはオススメです。

[オルガン式]

オルガン式のペダルとは、楽器のオルガンペダルのようにペダルの根元がフロアに固定されており、つま先を踏み込むことで操作ができる方式です。

[吊り下げ式]

一方、吊り下げ式のペダルとは、ペダルがフロア固定されておらず、ダッシュボードの内側から吊り下がっているペダルです。そこを支点とし、つま先を奥に踏み込むことで操作ができる方式です。

高齢者が運転する場合のフットペダルとしては、アクセルを踏んだときにブレーキとの感触が違うオルガン式の車を運転すれば、踏み間違いによる事故を防ぎやすくなるでしょう。

軽自動車やコンパクトカーは身体の中心よりも左側にブレーキがあるケースが多く、フロントタイヤのホイールハウスがアクセルペダルの場所を占領し、ペダル全体が左によってしまいます。そのため、身体の中心にブレーキペダルがある車を選ぶのもよいでしょう。

高齢者の運転人口が年々増えるにつれて、高齢者の自動車事故が増えているため、警察庁は75歳以上の高齢者に免許を返納することを勧めていますが、そうすると地方では高齢者の移動手段がなくなってしまいます。そのため、今後は高齢者が自動車事故を起こさないようにするための、抜本的な対策が必要になってくるでしょう。

高齢者ドライバーやご家族の方は、今回ご紹介した事故防止のポイントを振り返り、いつまでも安全に運転するように早速今日から意識するようにしましょう。

ドライブ専門家一覧

※上記の専門家コラムに関するご質問、お問合せは、原則受付けておりませんのであらかじめご了承ください。

コラムニスト 清水和夫 (モータージャーナリスト)

安全で楽しいカーライフのお手伝いをさせていただきます。

国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして自動車の運動理論や安全性能を専門にしつつ、最近ではクルマ好きが考える安全と環境をライフテーマとして執筆しています。

【URL】 http://kaz-administration.blogspot.com/
【メディア】 「ディーゼルこそが、地球を救う」(ダイヤモンド社)、「車安全学のすすめ」(NHK出版) 、「モーターマガジン」「ENGINE」「GENROQ」などで連載中、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレターとしての出演も多数。

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